FRIDAY(フライデー)

空気階段・水川かたまりが明かした「キングオブコント優勝までの戦略と、危機を救った恩人の話」

元NSC17期生・いけるか小机の「ソデバナ」第1回・水川かたまり②

<東京NSC17期の元吉本芸人・いけるか小机が、お客さんの前では決して漏らさない芸人たちの本音を引き出すトーク企画。それが“ソデバナ”だ。第二回目は、同期の空気階段・水川かたまりが、キングオブコント優勝までの裏側を赤裸々に語り明かした――>

(’第1回 空気階段・水川かたまり「独占インタビュー」キングオブコント優勝までの誰も知らなかったホントの話はこちらをクリック

水川かたまり 1990年7月生まれ、32歳。岡山県岡山市出身。2011年、吉本興業の養成所である東京NSCに17期生として入学。鈴木もぐらと出会い、「空気階段」を結成。2021年、キングオブコントに優勝
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もぐらのネタと、山里亮太の30万円と

若手芸人、というと「なかなか食べていけない」というイメージがあるかもしれない。半分正しくて、半分間違っている。若くても賞レースの準々決勝や準決勝に進める実力があれば、さまざまなライブに呼ばれることになり、けっこう忙しくなるものだ。

2018年、KOC準決勝の会場で大ウケしたにもかかわらず、決勝に進めなかった空気階段。水川かたまりは、当時の彼女からもフラれ、ネタを書くことをやめるほど落ち込んだ。それでも、準決勝の大ウケは芸人界で話題になっていた。落ち込んでいても、ライブの予定は詰まっている。無視するわけにはいかない。ふてくされているわけにはいかない。舞台に立たなくてはいけない。

「当時、『でかぷっしゅ!!』という新ネタライブをやってたんだけど、真空ジェシカ、オズワルド、ハナコさんとか出ていて、そのライブ用に新ネタを書かなきゃいけなかった。ライブには出なきゃいけないけど、何もしたくない時期だった 」

そんな時動いたのは、相方の鈴木もぐらだった。

「もぐらが『いま水川は使いものにならねえわ』って一人でネタを書いたんです。それが『タクシー』。できるまでの時間は、かなり短かった。ネタができたら、やらなきゃ仕方ない。気持ちを切り替えなきゃと思いました」

また、お笑いファンたちも、落ち込んでいる水川を励ました。

「「いろんなライブに出て、お客さんの“期待感”みたいなものをすごく感じるようになった。『僕たちは注目されている』と感じた。同じネタをやっても食いつきが全然違うんだよ」

KOC決勝の舞台で空気階段を見たい――。そんなファンの熱は翌年のKOCまでまる1年、ずっと続くことになった。一度だって冷めることはなかった

そして迎えた2019年、3度目の準決勝。準決勝では、2本のネタを披露しなければならない。空気階段は、1本目にもぐらの書いた「タクシー」、2本目に「遊園地」を披露した。

「この『遊園地』っていうのは、スクリーンを使うネタ。スクリーンを使うコントって少なくないんだけど、実はスクリーンは自分たちで用意しなきゃいけない。小さな会場なら小さなスクリーンを用意すればいいんだけど、準決勝の会場は広いから、お客さんがちゃんと観られるように、めちゃデカいスクリーンを自腹で借りなきゃいけなくて……聞くと30万円。絶対出せない金額だった。

どんなにキングオブコントに賭けているからって、当時はまだそんなにお金も持っていない。30万円はあまりにリスキーな額だった。どうしようか、ほかのネタにしようかって、心の底から悩んだよ。

そんなときに、あるライブで南海キャンディーズの山里(亮太)さんとご一緒して、打ち上げの席で『KOC準決勝はどんなネタやるの?』って訊かれた。『1本目はタクシーで、2本目は迷ってます。面白いんですけど、スクリーン代が30万円かかるんで、どうしようかな、って感じです』と話すと、山里さんが『オレがスクリーン代貸すから、やりたいネタやったほうがいいよ』って言ってくれた。それで、本当に30万円、出してくれたんだ。絶対KOC優勝して返すぞ! と思った」

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    東京NSC17期生。6年間のお笑い芸人活動を経て、2019年小説『この人生の主人公は僕だった』出版。現在フリーランスで活動中 よろしくお願いします

  • 写真東山純一

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