

コンドーム実演販売で財を成した男
紀州のドン・ファン 知られざる壮絶生涯 - エピソード1
FRIDAY 事件ファイル「紀州のドン・ファン 知られざる壮絶生涯」
「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏は、1941年、和歌山県田辺市に7人兄弟の3男坊として生まれた。まだ日本が貧しかった時代、野崎氏は中学を卒業するとすぐに働きに出た。酒造メーカーの販売員や金融業など、様々な商売を手掛けた。
驚愕するのは、コンドームを訪問販売する仕事に就いていたことだ。小売りの薬局などほとんどなかった時代に、各家庭を渡り歩き主婦に避妊具を売っていたのだが、このとき、野崎氏は主婦を相手に「実演販売」していたという。破天荒なビジネスマンだったのだ。
この時、「その当時のサラリーマンの月収の3倍は稼いだ」という野崎氏は、その資金を元手にして金貸し業を始めると、高度経済成長の波に乗ってこれもまた大成功。北新地などの高級クラブに通い、財力にモノを言わせてホステスを口説き落とすのが趣味だったという。この時から「美女4000人を抱いた男」の物語が始まるのだった。

地元・田辺市では「カネ持ち」「遊び人」として名を馳せていた野崎氏。とはいえ、世間には彼以上の「資産家」「女好き」はたくさんいる。彼が一気に全国的な注目を集めたのは、16年2月のこと。彼の家に、強盗が入ったのだ。屈強な男ではない。27歳の自称モデルの女である。彼女は「高級交際クラブ」を通じて野崎氏と出会い、関係を持つなかで隙を伺い、犯行に及んだのだった――。