

ノーベル賞に最も近い医師 中村祐輔 人類ががんを克服するときがやってきた
世界に誇るニッポンの偉人に密着 ゲノム研究の世界的権威が示す日本の医療の未来

中村医師の新天地となる、がん研究会(東京・江東区)にて。米国から帰国後も分刻みのスケジュールだ
暑さ厳しい6月中旬、見るからに重そうな荷物を抱えた男性が、少し疲れた表情で成田空港の到着ロビーに現れた。両手には重量感のあるスーツケース。背中には大きなリュックを背負い、チェックのシャツにジャケットというラフな出で立ちだ。出迎えた筆者に気づくと、ふっと表情が緩み、「シカゴと暑さはそう変わらないけど、この湿度の高さは身体に堪(こた)えるね」と屈託のない笑顔を見せた。