

プロも危険な冬の富士登山 登った者だけが見られる「影富士」の美
夏とは様相が一変して滑落の危険が。それでも、厳しいが故の美しさに魅せられて――
夏には登山客がひしめき合う日本の象徴・富士山。
しかし9月から翌年6月まで、登山道は閉鎖され、富士は長い眠りに入る。
一般の登山客を寄せ付けない過酷な世界に入る登山家が
冬富士の魅力と厳しさを明かす。

忍野(おしの)村から見る厳冬期の富士山。富士山頂では過去に最大瞬間風速毎秒91mという日本の最高記録を観測している
登った者だけが目にする巨大な雪原と
下界に広がる「影富士」
「毎年9月に登山道が閉鎖され、冬の富士は夏とは様相が一変します。それでも厳しいが故の美しさがあり、雄大な光景を人のいない中で堪能できます」
〝登山界のアカデミー賞〟と言われるピオレドール賞を日本人として初めて受賞した登山家で、富士山の公認ガイドでもある天野和明氏はこう語る。