FRIDAY

追跡ルポ 捏造の世界史 渦中の人物の「それから」

架空の宗教学者、偽iPS細胞事件にホラまみれの経歴詐称、自作の石器まで

他人から尊敬されたい――。そんな小さな願望が大事件の引き金となっていた。だが、研究や経歴を偽って尊敬を集めても、捏造は絶対に露見する。人はなぜバレるとわかっているのにウソをつくのか。

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深井氏による論文捏造事件を受けて、会見を行う同学院の理事長たち

なぜ架空の人物をでっち上げたのか?

 神学者カール・レーフラーは存在しなかった――。学界の権威が実在しない学者の論文を捏造したことで、世間は騒然とした。執筆者はミッション系お嬢様学校として知られる東洋英和女学院の院長(当時)、深井智朗氏(54)。’18年9月に北海学園大学准教授(ドイツ宗教思想史)の小柳敦史氏の指摘で発覚した。

 深井氏の著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神――ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』にカール・レーフラーなる神学者が書いた『今日の神学にとってのニーチェ』という論文が登場するのだが、カール・レーフラーなる人物も、その論文も存在しなかった。

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