

反原発の申し子が語るあの日から10年――今、日本人に伝えたいこと
京都大学原子炉実験所で41年間働いた
「原子力緊急事態宣言下で東京五輪を誘致した自民党政権を許さない」
3月3日の昼下がり、小出裕章(ひろあき)氏(71)は、長野県のJR松本駅前で「アベ政治の継続を許さない」と書かれたプラカードを掲げていた。原発を推進する自民党政権に抗議の意思を示すスタンディング活動だ。’15年7月にノンフィクション作家の澤地久枝氏(90)の呼びかけに応じて初めて駅前に立って以来、毎月欠かさず続けている。この日、小出氏とともに活動に参加した人数は30人以上。各々がプラカードを持参して集まり、およそ45分の間、一言も発することなく、道行く人に黙って問いかけ続けた。