

勝者は誰?「ナイキ厚底シューズ論争」五輪に向け加熱する謀略戦
『ヴェイパーフライ』を履いて新記録続出だが、世界陸連は使用禁止にするかも…

瞬く間に広まった厚底シューズ。高反発材の厚底にはカーボンファイバーのプレートが埋め込まれ、その反発力で推進力が生まれる
「’90年代以降、陸上競技の世界は急激に商業化しています。メジャー大会に出場するトップ選手を統括する国際陸連(現・世界陸連)は、ロシアのドーピング問題で揺れ、’16年にはイメージ低下を恐れたアディダスが35億円分もの協賛契約を打ち切るという事件が起こりました。また昨秋には、〝世界最強の中長距離チーム〟『ナイキ・オレゴン・プロジェクト』が、ヘッドコーチのドーピング関与により解散に追い込まれている。世界の陸上界では利害関係が複雑に絡み合う謀略戦が繰り広げられているのです」(陸上競技に詳しいスポーツ・ジャーナリスト)