

MLB大物記者 P・ギャモンズ氏特別寄稿 「田中将大は"打たせてとる"で成功する」

1月20日、コボスタ宮城の室内練習場で楽天のルーキー松井裕樹らと汗を流した。使用しているのはメジャー公式球。浮き上がるような新ボール「ライジングカット」も披露
Photo:黒澤 崇
チームメイトだったアンドリュー・ジョーンズに、田中について聞いたことがある。ジョーンズは「彼はメジャーで必ず活躍できるよ」と、自信を持って話していた。その根拠として、「田中は、ダルビッシュと違って三振をとりに行こうとせず、内野ゴロを打たせることを考えていた。中4日で登板しなければならないメジャーでは、球数を少なくすることが結果を残すための条件の一つ。打たせてとる投球スタイルを確立できれば、チームのエースになれるだろう」と、そう語っていた。
メジャー移籍が決定した田中将大(25)について、こう話すのは米国の野球担当記者ピーター・ギャモンズ氏(68)だ。スポーツ専門チャンネル「ESPN」や週刊誌「スポーツ・イラストレイテッド」で活躍。35年以上の取材経験が評価され、’04年にはメジャー殿堂から特別に表彰されている。昨年12月には楽天の三木谷浩史オーナーを直接取材し「田中を出したくない」という発言を公表、話題になった。その大物記者が分析する。
田中は、コントロールが実に素晴らしい。ボール半個分の制球ができていて、ピンチにも動じないタフさがある。ただ日本では150球以上の登板や連投をしていたようだが、そうした起用法は米国では考えられない。ストレートにそれほど威力はないので、三振を狙いすぎて球数を増やさないほうがいい。メジャーで成功できるかは、球数を減らし、より長いイニングを投げられるかどうかがカギになる。