

シリーズ 最新治療の名医たち――11 高齢者でもがんを根治! 「サイバーナイフ」の劇的効果

ロボットアーム先端の照射口から患部までの距離は80㎝に保たれ、50〜130方向から照射。照射口は、腫瘍径に合わせて5㎜から6㎝までの12種類から選択される。撮影時は転移性肺がんの治療中だった
Photo:浜村菜月
「放射線」と聞くと、原爆や、いまなお続く原発事故問題からネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれない。
だが、医療の世界では、レントゲンがX線を発見した1895年から「病む人のために役立てる」研究が続けられてきた。近年の治療技術や機械の進歩はめざましく、できる限りがんにだけ放射線を当て、副作用を抑えるピンポイント照射が可能になってきた。体力的に手術が厳しい高齢者や、持病があって手術できない人、手術適応を超えてがんが進行している人でも、放射線治療を選択すれば、根治を目指して治療できるケースが増えてきたのだ。