

高梨沙羅 日本中を感心させた"気丈な娘"の17年
涙は見せたくなかった。
日本中の期待を背負った少女は、
この悔しさを糧に、
もう4年後を見据えている。

'12年4月、グレースマウンテンインターナショナルスクールの入学式で。この4ヵ月後には、高卒認定試験に合格した
Photo:AFLO
北国の小さな女の子がガンバった
「納得のいくジャンプができず、すごく残念です。やることは一緒なので、どの試合も変わらず挑んでいたつもりでしたが、五輪はどこか違うところがあると感じました」
2月11日(現地時間)に行われたソチ五輪ジャンプノーマルヒル。今季W杯13戦10勝、金メダル大本命といわれた髙梨沙羅は、まさかの4位に終わった。
ただ、誰よりも遠くへ飛びたい――。
その想いだけでジャンプを続けてきた17歳の少女は、あふれ出る涙をこらえ、気丈に語った。
髙梨はなぜ、若くして、「勝って驕(おご)らず、負けて腐らず」というプロフェッショナリズムを貫き通すことができるのか。そのルーツを探った。