

日本フィギュアを牽引してきた男 髙橋大輔 電撃引退の波紋
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悲運のスケーター「未練」と「ありがとう」
佐村河内や橋本聖子のトラブルを乗り越え、もう一度戦う姿を見たかった

10月14日、フィギュアスケートの高橋大輔(28)は、故郷の岡山県で引退会見を行った。ソチ冬季五輪の頃と比べ、ヒゲを伸ばし、短くした髪の一部は金色に染められていた。「4年後の(冬季)オリンピックを考えるとモチベーションが上がらなかった」と引退理由を語ったが、一方で「現役に未練がないわけではない」と復帰への含みも持たせた
Photo:加藤 慶
「精神的に疲れてしまったんでしょう。競技者でいると日本スケート連盟に所属しなくてはならず、ショーやエキシビションに呼ばれても、時期によっては自由に滑れません。連盟と関係のないところでノビノビとやりたかったのではないか」(元五輪選手の渡部絵美氏)
「橋本聖子会長との一件(ソチ冬季五輪直後のキス写真が流出)もあって、連盟から離れて客観的に自分を見つめる時間を作りたかったのでしょう」(連盟関係者)
10月14日、フィギュアスケート男子の髙橋大輔(28)は、岡山市で会見し、「引退することを決断しました」と宣言した。言葉は清々しかったが、10年以上、第一人者として走り続けた男の顔には疲れが滲んでいた。そのスケート人生は重圧との戦いそのものだった。