

サムスン急減速 本当の理由は人か組織か国の驕りか
営業利益が前年比6割減「まるで軍隊」「宗教じみている」との内部批判も

現在、李会長は病気療養中で、サムスンの最高意思決定機関「社長団協議会」もうまく機能していないという。左は、長女でホテル事業を取り仕切っている李富眞(イプジン)氏
いま、サムスングループと韓国社会が揺れている。
グループの中核企業であり、利益の大部分を稼ぎ出すサムスン電子の4〜6月期決算が9年ぶりに減収減益。続く7〜9月期の営業利益が約4兆1000億ウォン(約4100億円)と、前年同期に比べて6割も急減したのだ。
「スマートフォン事業の悪化がその最たる原因です。背景には台湾の『メディアテック』という半導体メーカーの躍進がある。メディアテックが中国のメーカーなどに格安の部品やソフトウェアを大量に卸しています。それによって1万〜2万円という低価格のスマートフォンを製造・販売することが可能になった。それら安価な端末に、サムスンの製品が押されているんです」(台湾の市場調査会社『TMR台北科技』代表・大槻智洋氏)