

全角度研究 最強の官房長官 菅義偉の虚像と実像
首相は漏らした「私でも彼のことが怖いときがある」
安倍官邸を操縦する男の知られざる66年

閣内外だけでなく、霞が関にも睨みを利かす菅。午前中は毎日のように永田町付近のホテルの一室で、議員だけでなく財界人やメディア関係者と会って情報収集しているという
Photo:鬼怒川 毅
「菅さんには休みという概念がないんです。毎日、朝6時半に自宅にお迎えに上がり、家に帰るのは早くて夜10時すぎ。趣味や娯楽の時間などまったくなく、有馬記念など競馬の大きなレースがあるときにチラッとスポーツ新聞を見るだけでした。車内でも、NHKのニュース以外、ラジオも音楽も一切かけない。唯一の楽しみと言えば、たまにお台場の『ホテル日航東京』に行くことぐらい。『1時間ぐらい時間を潰してこい』とだけ言われるんです。おそらくスパにでも入っているんだと思いますが、息抜きはそれぐらいです」(菅氏の元運転手)
総選挙に目論見通り大勝し、2020年までの長期政権すら見据える安倍晋三内閣で、余人をもって代え難い「要石」と言われる菅義偉(すがよしひで)官房長官(66)。
「歴代官房長官の中でも五本の指に入る」(自民党神奈川県連の梅沢健治元会長)という最大級の評価さえ出始めたが、菅はあくまで首相の影に徹し、表舞台で脚光を浴びることを忌避しているように見える。その本心を覗かせることはほとんどないが、菅は安倍に付き従う「忠犬」に徹するのか、人知れず野心を胸に秘めているのか。菅義偉の66年の半生を辿っていこう。