

築100年以上の建物は壁が崩れ…世界遺産「軍艦島」が崩壊危機
明治から昭和にかけ栄えた炭鉱街が危機に瀕している。海風などの影響で侵食が止まらないのだ

5月上旬、出水氏がドローンで撮影した30号棟(写真中央)と島の光景。島の全景を3D化して調査保全に活用する活動も行っている
〝世界屈指の美しい廃墟〟として人気を集め、’15年にはユネスコ世界遺産にも登録された長崎県の端島(はしま)(通称・軍艦島)。明治から昭和にかけて炭鉱の島として栄えたここで、崩壊へのカウントダウンが始まっている。3月末、日本最古の鉄筋コンクリート造アパートで、島の象徴ともいえる30号棟南側の柱と梁(はり)が崩落、本来部屋があった部分が空洞になってしまったのだ。〝軍艦島の守り人〟として知られ、崩落後の5月上旬にも現地調査に入った長崎大学大学院工学研究科の出水享博士がこう語る。