

「ひ弱な天才」錦織圭はこうして世界クラスに変わった
赤ちゃんトレ、メンタルトレ、名伯楽たち、
そして最重要は「素直に聞く心」

トッププロたちが「世界で最も危険なショットのひとつ」と恐れる錦織のバックハンド。「かなり低い位置で打ち返すため、リターンが速く、対応が難しい」(スポーツ紙記者)
200㎞を超す強烈なサーブが、何度もラケットを弾く。188㎝、91㎏の巨体を生かしたツォンガ(30)のパワーショットに押し込まれ、錦織圭(25)はズルズルと2セットを取られた。体格差は如何ともし難い――誰もが諦めたに違いない、その瞬間からが錦織の真骨頂だった。ジョコビッチやナダルが手を焼く、超スピードのバックハンドがクロスに、サイドラインに決まる。フルセットの末に敗れたが、本人が言う通り「紙一重」だった。