

水木しげる「好きなことしかやらない」ゲゲゲの生涯
米兵に、貧困に、締め切りに追われてもマイペース

’89年、関東大震災から天皇崩御までを描く『コミック昭和史』を出版
「水木さんの作品には、作者が社会の理想や価値観を信じていない、と思わせるところがあるんですね。それはナゼか? 戦争体験によって世間一般の価値観を信じられなくなったこともあるでしょうが、実は水木さんは子供の頃から自分に絶対の自信を持っていたんです。『天才少年画家現る』と地元紙に載るほど抜群に絵がうまく、『将来、自分は絵で食っていける』という自信があったので、無理に権威に頼る必要がなかったんです」(評論家・呉智英氏)