

菅義偉内閣 長期政権樹立への第一歩は「解散総選挙」
すでに組閣に向けた猟官活動が活発化

8月31日朝、議員会館に入る菅官房長官。この日の午後、「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元官房長官を訪ねた
勝ち馬に乗れ――。自民党の名だたる大派閥が雪崩(なだれ)を打って菅義偉官房長官(71)の支持に回った。9月14日投開票の自民党総裁選は、戦う前から勝敗が決した格好だ。すでに菅官房長官の下には財務省や外務省などから「首相秘書官」候補が集められ、組閣作業が急ピッチで進められているという。その先に見据えるのは、解散総選挙だ。
「まずは二階派が菅支持を打ち出し、麻生派、細田派、竹下派が次々と菅支持に回りました。これは、安倍総理がいなくなっても、引き続き、同じ構図で権力を保持していきたいということです。とはいえ、菅総理としてはフレッシュな印象を与える組閣をしなければならない。そこで、河野太郎防衛相と小泉進次郎環境相の二人を重要ポストに登用して、世代交代を印象づけようとするでしょう。
ご祝儀相場で、高い内閣支持率が望めるのは組閣直後です。菅氏は選挙に関して主戦論者ですから、できるだけ早く解散を打つ可能性もあります。ただ、野党も合流新党が15日に発足し、共産党との選挙協力もかなり進んでいます。自民党は20議席程度落とすのではないか」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)