

スポーツは人間ドラマだ!第167回 ミレニアムON対決 長嶋茂雄と王貞治「最後のメイクドラマ」
’00年10月21~28日
プロ野球日本シリーズ 巨人対ダイエー

〝世紀の一戦〟に殺到する報道陣。試合の流れを決めた〝タイムリー悪送球〟の主、湯上谷は野球から離れ、リラクゼーションスペース『りらくる』でセラピストとして働いている
ダイエーの王貞治監督(60=当時、以下同)は、東京ドームの三塁側ダグアウトでじっと腕組みをしたまま、打席へ鋭い眼光を放っていた。9回表2死一塁。ニエベス(28)のバットが空を切った瞬間、一塁側から巨人ナインがグラウンドへとなだれ込む。長嶋茂雄監督(64)は満面の笑みを浮かべ、握手攻めにあっていた。その歓喜の裏側で、王監督はミスターの胴上げを見届けることなく、試合終了すぐにグラウンドに背を向け、ベンチの奥へと引き上げた。