

ドラマ好調! TBSにあって他局になかったもの
連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

8月下旬、都内で『MIU404』のロケに臨む星野。綾野とのコンビ、汗を飛び散らせながらの熱演を10代~40代の若年女性視聴者が支持した
日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)がついに大団円を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大によって撮影が中断。当初の放映開始予定日4月19日から3ヵ月遅れてのスタートとなったが、全10話で世帯視聴率20%超えを果たし、最終回は32.7%でゴールを切った。
「夏ドラマで目立ったのがTBS系ドラマの奮闘でした。多部未華子(31)がおじさん家政夫の大森南朋(48)を雇う『私の家政夫ナギサさん』は、同枠で放送された逃げるは恥だが役に立つ』を超える全話平均15.1%。綾野剛(38)と星野源(39)がW主演した『MIU404』も全話二ケタをキープ。最終回は14.5%をマークしました。〝ドラマのTBS〟が復活しましたね」(テレビ誌編集者)
TBS系ドラマの看板枠が日曜劇場なら、フジテレビ系ドラマのそれは「月9」だった。『東京ラブストーリー』など数々のヒット作を生み出した月曜9時のドラマはしかし、いまや視聴率が一ケタ台も珍しくない。この差は何なのか。
「キャスティングの方法が根本的に違いますね。出演者を押さえてから、その俳優に合う作品を当てはめるフジに対し、TBSは基本的に作品が優先。やりたい作品が決まってから、それに合う俳優を当てはめる……当たり前の話に思えるでしょうが、これがかなり難しい。数字が取れる俳優は一握りで、人気俳優ともなると2年先までスケジュールが埋まっているなんてザラですから。かつてはフジもジャニーズのタレント主演で進めていた『のだめカンタービレ』を原作と合わないという理由で変更したこともあったんですけどね。いい作品を作りたいけれど、数字も取らねばならない、というジレンマですよね」(芸能プロ幹部)