

豪州で約470頭のクジラが座礁、380頭以上が「謎の大量死」
オーストラリア・タスマニア発

クジラの死骸は放置すれば膨れ上がった状態で海上を浮遊し、航海に影響があるほか、サメなどの捕食動物が集まる恐れもあるという
砂浜に力なく横たわる、黒い巨体。過去に例のない数のクジラが、痛々しい姿で発見されている。
9月21日、オーストラリア・タスマニア島で、約470頭のヒレナガゴンドウが座礁しているのが見つかった。クジラは海水の中でしか生きることができない。陸地で過ごすと身体の皮膚が乾いてボロボロになり、また体重に耐えられず肺がつぶれ、死に至る。現地の救助隊らは、乾燥や体温の上昇を防ぐために手を尽くし懸命に救護活動を続けているが、体の大きいクジラを海に帰すのは容易ではなく、すでに380頭が死亡している。生き残った一部も安楽死させざるを得ない状態だ。
クジラの生態を研究している、東京海洋大学の加藤秀弘名誉教授は、今回の現象についてこう指摘する。