

桂歌丸師匠は「落語の神様」になった
最後まで現役を貫き自らの病気もネタにする壮絶晩年

昨年1月、病を押して高座に上がった師匠。古典落語「つる」を25分間にわたり披露した
「関西で活動していた私が’11年に上京した時、末廣亭(東京都新宿区)で歌丸師匠にバッタリ会ったんです。私が『本格的に東京でやることになりました』と挨拶すると、師匠はニコニコしながらこう言いました。『いいねぇ。大いに暴れてよ。雀々(じゃくじゃく)さんのような勢いのある人が活躍すると、東京の人間にも刺激になるからさ』と。独特の言い回しで励まされ、大感激したのを今でも鮮明に覚えています」
落語家の桂雀々は、こう振り返る。