

「注射1本でがん消滅」の治療がうけられるニッポンの病院はここだ
米国でがんを消した新たな免疫療法、“中村祐輔メソッド”の治験が日本でも始まろうとしている
取材・構成/青木直美(医療ジャーナリスト)

「がん研」研究室で語る中村医師。遺伝子解析を行うシーケンサー(右の機械)は劇的に小型化された
今年6月、国際学術誌『ネイチャーメディシン』に米国立がん研究所(NCI)の研究者が発表した、ある論文に世界中から注目が集まっている。
その論文には、乳がん患者に見つかった複数の肝転移などが半年で50%に縮小、そして1年後には完全に消滅し、そのまま2年が経過しているという、驚くべき治療法が紹介されている。
がん治療は日々進歩しているが、再発したがんの治療は現在でも難しい側面がある。そんな中でも有効な治療法こそが、本誌前号にて紹介した「がん研究会がんプレシジョン医療研究センター」所長・中村祐輔医師(65)が研究を進める、"新たな免疫療法"なのだ。