

愛飲家必読!アルコール依存症の真実 “減酒”新薬登場の治療最前線
依存症と闘う日本一のドクター樋口進(久里浜医療センター院長)を密着取材
取材・構成/青木直美(医療ジャーナリスト)

久里浜医療センターは景色の良い海辺に建てられている。その敷地は実に東京ドームの3倍。写真は院長の樋口医師
「アルコール依存症は本人に自覚がない場合が多く、1つの方法だけで改善させるのは難しい病気です。主な治療はカウンセリングをはじめとした"言葉"を使ったものですが、補助的にクスリを使うことで治療効果を高めることができます。重要なのは異なる治療方法を組み合わせ、より回復率を高めることです。内服薬は、再発を予防するのに効果があります。これまでその治療薬は、お酒を断つことを目的とした『断酒薬』しかありませんでしたが、(詳細は後述)、まもなく、『減酒薬』という新タイプの内服薬が登場します。アルコール依存症の治療は、大きく変わり始めているんです」
そう語るのは、久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)院長の樋口進医師(64)。ここは、アルコール依存症の患者を治療している日本最大の治療施設で、世界保健機関(WHO)から「アルコール関連問題研究・研修協力センター」の指定も受けている国内唯一の専門機関だ。