

短期集中連載 昼めしで半生反省 第13回 木村弘毅(ゲームプロデューサー)「突然、『モンスト』が降りてきたんです!」
適当に作るとお客さんはすぐにわかる

現在、ハマッているのが大山地鶏の骨付き肉が入った「チキンカレー」。途中で薬味のマリネした玉ねぎを入れるのも楽しみのひとつだ
ビリヤードの玉のように、モンスターを弾(はじ)いて敵にぶつけて倒す――このシンプルさと、最大4人同時プレイ可能というシステムがウケて、累計利用者数が全世界で3000万人を超えた『モンスターストライク』。この大ヒットスマホゲームは、荻窪(杉並区)のカレー&シチュー専門店の前の、行列の中で産声を上げた。
「僕はカレーが好きで好きで、学生時代から美味しいと評判の店を食べ歩いていたんです。それこそ、一日3食カレーという日もありました。100軒近く訪ね歩いたある日、ここ『トマト』さんに出会って、ハンマーで殴られたような衝撃を受けました。もの凄いコクなんですよ。なのに食後は、大草原を駆け抜けた後のような爽やかさに包まれる」
とにかく行列が嫌いで、どんなに人気のラーメン屋でもアミューズメントパークでも、並ぶくらいなら行くのを避けた。そんな木村弘毅氏(39)が初めて、「並んでも食べたい」と思った店だった。