

代表落選がニュースになる男 パナ山沢拓也が切り拓く未来

パナソニックはトップリーグ第5節を終えて全勝。山沢は、正確なキックやパスでチームの司令塔となっている
山沢拓也(24・パナソニック)の日本代表落選が話題となっている。
1年後のワールドカップ日本大会に向けたワールドカップトレーニングスコッドにその名がなく、10月1日に発表された今秋の代表ツアーメンバーからも山沢の名前は漏れていた。かねてから将来性が買われており、直近の日本最高峰トップリーグで圧巻のプレーを連発していることから、この選考結果が議論を呼んでいる。
身長176センチ、体重81キロの山沢が本格的に競技を始めたのは、兄の一人もプレーした深谷高ラグビー部に入ってからだ。熊谷東中時代もラグビー部に在籍していたが、主に追っていたのは丸い球だった。地元のクマガヤSCの有力選手として、サッカーの強豪校からも誘われていた。
この時、深谷高ラグビー部で監督をしていた横田典之(現熊谷高監督)は、直筆の手紙を送り入部を決意させた山沢を「走り切れるスタンドオフ」と評する。司令塔の役割を担うスタンドオフとしてパス、キャッチ、キックなどの技術に長ける山沢は、タックルをかわす身軽さや防御網を抜け出した後の速さという「走り切れる」ツールを持っていた。