

「ドーハの悲劇」から30年 ラモス瑠偉の告白
【特別読み物】
「今でも夢を見るよ。2人でパスをして最後にカズが決める夢をね……」
日本代表の背番号「10 」を背負った男が今だから明かせること――
神様は乗り越えられる試練しか与えない――。今年66歳になったラモス瑠偉が大事にしている新約聖書の言葉だ。それでも’93年10月28日のラモスは、アル・アリ競技場の芝に座り込むしかなかった。
「頭から離れない、今も。私が人生で初めてサッカーをやめようと思った日になった。帰国後10日間、家から一歩も出られなかった。魂が抜けたね」