

独占直撃! 地面師事件・カミンスカス操 「フィリピン収監生活」
取材・文/ノンフィクションライター・水谷竹秀

逮捕されたカミンスカス操容疑者は終始、険しい表情だった(写真提供:日刊まにら新聞)
檻の向こうの中庭に突っ立っていたその男は、白い野球帽をかぶり、サングラスを掛けていた。服装は光沢系の青いノースリーブシャツに短パン、サンダル履きだ。他にたむろしている外国人たちはざっと50人ほど。たとえて言うならば、動物園の広い檻の中に、多数の人間が閉じ込められているような感じだ。じっとりとした蒸し暑さの中、家族と面会する者、椅子に座って仲間と話をする者、奥のビリヤードテーブルで遊びに興じている者もいる。
私が中庭に入り、別の収監者と話をしていると、その男はどういうわけか目の前までふらっと歩いてきた。
私は思わず声を掛けた。