

アマゾンのヤノマミ族と原田龍二 祖先の縁が定めた裸の関係!?
好戦的で文明とのふれあいがない少数民族と原田龍二はなぜお互いを受け入れ合ったのか? そこには想像もしない壮大な運命の物語があった ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.002
この世界に誕生した子ども。その子どもをこの世で育てるのか、もしくは天に戻すのか……。その生死の判断を母親の手にゆだねるという風習を持つヤノマミ族。ベネズエラ・アマゾンの奥深くに住む彼らと、俳優であり、ミステリー好きを公言する俳優・原田龍二の魂の交流について話をしよう。
◆ベネズエラ・アマゾンのジャングル奥地にいる少数民族が原田龍二の人生を変えた
僕がミステリーの世界を信じるきっかけとなり、現在の仕事に導いてくれたのは、ヤノマミ族との出会があったからと言っても過言ではありません。僕が彼らの存在を知ったのは1995年のことです。ブラジルで日系移民の方に話を聞くドキュメンタリー番組に出演していて1ヶ月間ブラジルに滞在していました。その時のコーディーネーターさんがベネズエラのジャングルに「ヤノマミ族」というおもしろい人たちがいるよ、と話をしてくれたんです。

シャボノという藁葺き屋根の家で狩猟をしながら暮らすヤノマミ族。文明とのふれあいがない彼らにとって、突然現れた原田は敵のはずだが、なぜだか不思議とすぐに打ち解け生活をともにし始めた。
ヤノマミ族は南米アマゾンのオリノコ川に流域に居住している先住民族で、その文化・風習を守るため国(ベネズエラ)から保護を受けている存在です。でも、ヤノマミ族が暮らす近辺では金が採れるということで、開拓民であるガリンペイロに惨殺されるなど、生命を脅かされているという現状です。それに加え、近代の文明が彼らの生活に浸食したり、開拓民の持ち込んだ病原菌などに犯されたりと、ヤノマミ族とその文化は消える可能性もあると言われている少数民族なんです。
そんなヤノマミ族のことをブラジルで知ってから、なぜかずっと僕はに心を奪われ、彼らに関する本などを読み漁っていました。そして5年後の2000年、とある番組で海外ロケに行く予定だったのですが、その国が情勢不安のため渡航中止となり、代替案として急遽ヤノマミ族を訪ねるという番組に変更になったんです。ヤノマミと僕の運命のつながりを感じましたね。