

『宝島』で直木賞!真藤順丈「何よりも大事にした沖縄取材ノート」

もともと近現代史に関心があったという真藤氏。過去にはカンボジア内戦を題材に作品を書いたこともある
「僕が『宝島』を書くうえで何よりも大事にしていたのが、取材ノートです。今回の沖縄取材でも、思いついたことは全部、このノートに書き留めました。脳ミソに浮かんだ言葉をそのまま、考えるのと同じスピードで書くんです。登場人物『グスク』の名前を思いついたときもそうでした。歩いているときに突然、『グスクだ!』とひらめき、すぐに書き殴った。それから、『彼は何人家族で、両親は沖縄戦で失っていて……』と、彼のプロフィールもどんどん浮かんできました」
そう語るのは、1月16日に、『宝島』(講談社)で第160回直木賞を受賞した真藤順丈(じゅんじょう)氏(41)だ。