

履正社・岡田龍生監督 「ゆとり教育でも甲子園に行ける」理由
体罰厳禁、長時間練習もなし、「ベンチ入り」を部員の投票で決める超民主的野球部
取材・文:桐島 瞬(ジャーナリスト)

おかだ・たつお
’61年、大阪府生まれ。東洋大姫路の3年春に、主将としてセンバツに出場し4強。日体大では2年からレギュラー。履正社の監督としては、これまで春8回、夏3回甲子園に出場している
「ベンチ入り選手は投票で決めます。部員全員に紙を配り、自分が監督になったつもりで18人の名前を書かせるんです。ナンボ野球がうまくても、人間性がデキていないヤツの名前は書かなくていいと話してある。最近の子は正直なのか、他人の評価はシビアです。でも、投票結果は私の考えとたいてい同じ。今回のセンバツ高校野球でも、投票結果は私が想定していたメンバーとほぼ一致しました」
こう話すのは、履正社高校(大阪府)野球部監督の岡田龍生(57)だ。
履正社は、3月23日に開幕する春の甲子園で優勝候補の一つ。岡田は無名の同校を大阪桐蔭と並ぶ全国屈指の強豪校に押し上げ、T‐岡田(オリックス)や山田哲人(ヤクルト)など多くのプロ野球選手を育てた名将である。