

《静岡・常葉菊川OB》町田友潤が「福祉の世界」で社長になるまで
「センバツ開幕」特別企画
「甲子園史上最高のセカンド」と呼ばれた"守備の天才"はなぜ消えたのか
セカンドに打ってしまえば望みはありません――。’08年夏の甲子園、常葉菊川(とこはきくかわ)高校(現・常葉大菊川高校)の二塁手、町田友潤(ともひろ)氏(32)がグラウンドを駆け回る姿を、実況はそう表現した。身長171㎝の小柄な身体が、プロ顔負けのフィールディングでゴロを捌(さば)き、一、二塁へ冷静に送球する。「甲子園史上最高のセカンド」と評され、常葉菊川4季連続甲子園出場の黄金期を支えた。だがその後彼は、プロはおろかアマ球界からも姿を消した。
あれから15年、名セカンドの姿は浜松にあった。障害のある子供たちの放課後支援施設を運営する「株式会社Gree」の社長を務めているのだ。町田氏は、挫折を経験しながらも新しいフィールドで躍動している。