

サニブラウンを覚醒させた「フロリダ大学のバイオメカニクス」
9.97の日本記録を樹立した天才の「強さの根源」
2019

9.97の日本新を出した全米大学選手権決勝で。昨シーズンは故障で満足な結果を残せなかったが、今年に入って好記録を連発。体つきも急速に変化している
「高校時代のサニブラウン選手は、才能だけで走っているという印象でした。卒業後、フロリダ大学の秋入学までの期間にオランダでトレーニングを行い、そこでバイオメカニクスによる分析を利用してスムーズに走るフォームに変わった。さらに今回は動きに"アクセント"が加わって地面に力を伝えられるようになっています。あのレベルでこれだけフォームを変化させられることがすごい。体を動かす神経回路的な能力が優れているのでしょう。まだまだタイムは伸びる」
バルセロナ五輪100m日本代表で、法政大学教授の杉本龍勇(たつお)氏はこう感嘆する。